主な症状
うつ病
「やる気が出ない」「何をしても楽しめない」などの精神的な症状や、「食欲がわかない」「眠れない」などの身体的な症状が一定期間続く場合、うつ病が疑われます。うつ病は、色々な理由によって脳の働きが低下している状態で、脳がうまく働いていないため悲観的な考えになってしまい、落ち込みやすくなります。そのため、普段なら受け流せるストレスでもより辛く感じてしまうという悪循環が起きてしまいます。
症状
【精神的な症状】
- 集中力が続かない 
- 漠然とした不安感がある 
- イライラしやすい 
- 何でも自分のせいだと感じてしまう 
- 興味が持てない、喜びを感じない など 
【身体的な症状】
- 体がだるい 
- 食欲がわかない 
- 眠れない、あるいは眠り過ぎてしまう(起きられない) 
- 胃痛、吐き気、下痢、便秘など胃腸の不調が続く 
- 頭痛、めまい、耳鳴り など 
不眠症
なかなか寝付けない、眠れても何度も目が覚めてしまう、熟睡感がないなどの睡眠トラブルが長く続いている場合、不眠症が疑われます。
睡眠時間には個人差があるため、7時間以上睡眠をとっていても熟睡できていないと感じたり、3〜4時間の睡眠でもスッキリと起きられる人もいらっしゃいます。不眠症の診断には、本人が安眠・快眠できていないと自覚している状態が続いているかどうかが重要なポイントとなります。
症状
- なかなか寝付けない(入眠困難) 
- 一度眠れても、その後何度も目が覚めてしまう(中途覚醒) 
- 予定よりも早く目が覚めて、その後なかなか眠れない(早朝覚醒) 
- 眠りが浅く、熟睡感が得られない(熟睡障害) 
適応障害
適応障害は、強いストレスによって日常生活に支障をきたす状態です。現代のストレス社会において誰にでも起こりうるこころの病気の一つであり、うつ病の「手前」の状態だと考えられています。適応障害に見られる症状はうつ病や不安障害などの症状と非常に似ています。うつ病と大きく異なる点は、ストレスの原因がはっきりしていること、そのストレスが取り除かれると症状が治っていくという点です。
症状
【精神的な症状】
- 不安を感じやすい 
- 無気力 
- 思考力、集中力の低下 
- イライラしやすい 
- 神経の過敏 など 
【身体的な症状】
- 全身の倦怠感 
- 涙が止まらない 
- 食欲不振 
- 不眠 
- 過呼吸 など 
【問題行動】
- 無断遅刻、無断欠席 
- 不登校、ひきこもり 
- 暴飲暴食 
- 仕事の停滞 
- ギャンブル中毒 など 
パニック障害
パニック障害は、突然動悸が激しく息苦しくなったり、めまいなどの症状が現れ、耐え難い不安発作(パニック発作)を繰り返してしまう精神疾患です。また、「このパニック発作がまた起きてしまうのでは」という恐怖を感じる(予期不安)期間が1カ月以上続いたり、発作が起きそうな場所を避けるような行動をとる(広場恐怖)ことも、パニック障害の特徴です。
パニック障害の原因はまだ明らかになっていませんが、ストレスや脳内の伝達物質の誤作動が関係あるのではないかと言われています。
症状
【精神的な症状】
- 現実感が感じられない(非現実感) 
- 自分が自分でない感じがする(離人感) 
- このまま死んでしまうのではないかという強い恐怖 など 
【身体的な症状】
- 心臓の動悸 
- 急に汗が出て止まらない 
- 身体が震える 
- 喉に何か詰まっているような窒息感 
- めまい、ふらつき、気が遠くなる など 
統合失調症
統合失調症は、脳の働きをきちんとまとめることができず、正常な精神状態を保てなくなる病気です。
幻覚や幻聴、妄想が出現することが多く、それにより社会生活に支障を来たすようになります。脳の神経伝達物質であるドーパミンの過剰が関係しているという説や、遺伝や脳のトラブル、性格や気質などといった元々の要因に加えて環境やライフイベント、病気などの日常で感じるストレスが重なり発症するという説があげられていますが、はっきりとした原因は解明されていません。
症状
【陽性症状】
- 誰かにずっと見られていると感じる 
- 実在しない声が聞こえる 
- あり得ないことを信じてしまう 
- 独り言、独り笑いが多い 
- 悪口を言われていると感じる など 
【陰性症状】
- 自宅に引きこもりがちになる 
- 以前は楽しめていたことに興味、関心がなくなる 
- 感情の変化が乏しくなる 
- 口数が少なくなる 
- 身なりや衛生面を気にしなくなる など 
【認知障害】
- 単純な作業でもやり終えることが出来ない 
- 集中力の低下 
- 指示通りの事が出来ない 
- 気持ちや考えがまとまらない 
- 計画的な行動がとれない など 
社交不安障害
個々の性格として社交的な人もいれば内向的な人もいらっしゃいますので、人前で話をしたり、周囲の人と関わることに不安を感じるからといって病気とは言えません。しかし、そのような場面で「話をするときに顔が赤くなっていないかな」「うまく話せるか」などと考えすぎてしまい日常生活に支障が出る場合には、社交不安障害が疑われます。社交不安障害の方は、人前に出るなどの強いストレスを受けると、動悸・震え・吐き気などの症状を自覚し、段々と人前に出たり人と接する場面を避けるようになります。また、我慢して無理矢理人前に出て体調を崩してしまうこともあります。
症状
- 顔が赤くなる 
- 手足や全身、声が震える 
- 脈が早くなり、息苦しくなる 
- ハンカチが必要なほど汗が出る 
- 口が乾く 
- トイレが近くなる など